●プチ・ポアントのコンセプト |
バレエの世界は非常にストイックでシビアです。やったとたんに出来ることなど一つもありません。まずは体づくりから初めて徐々に技術を習得し、その先に独自の表現を生み出していきます。
しかし、自分の経験を振り返ってみるとバレエを通じて多くのことを学び、それが自分の力になっていることを実感します。
継続すること、あきらめないこと、自分と向き合うこと…。これらはきっと今の子どもたちにとっても、大きな力になることでしょう。
プロのバレエ団ではスター性のある子を重点的に育成します。この考え方がバレエ教室にも影響を与えている、と思う事が多々あります。
私たちプチ・ポアントは突出したバレリーナを生み出すことよりも【平均点の高いバレエ教室】を目指しています。教室に通う全ての子どもたちを丁寧に指導するように、やがてこの経験が子どもたちの力となるように、と心がけています。
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●バレエを習い始める時期 |
バレエはとても理論的に考えられた動きなので、どんな身体の条件のひとでも、何歳から初めても、正しく身体を使うことを学べればバレエを踊れるようになります。
ただし一番効果的に技を習得するには、始める年齢が重要になります。身体が成長する過程で必要となる筋肉・骨格を作り上げていければベストだからです。個人差がありますが、本格的なバレエのトレーニングは2~3年生から徐々に始められるので、幼稚園から1年生位までに正しい姿勢や柔軟性、リズム感、そして何より踊る楽しさを体験できれば理想的ですね。
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●クラスと教師陣の充実 |
発表会、おさらい会前の半年程は作品の練習が中心となりますが、他の期間はキャラクタープログラム、ストレッチ&トレーニングプログラム等を組み込み、基礎練習を充分に行います。
この練習メニュー・プログラム構成は国内ではまだ一般的とは言えませんが、海外でのバレエ教育の中では必須とされている内容です。
私自信がバレリーナとして積み重ねた経験と、子どもたちに教えながら感じた【バレエを楽しみながら続けていく】ために最適な方法と自負しています。
また、他の場所で活躍していた教師陣があらためて指導することとなり「豊かな教師陣が揃った教室」と自負できる環境が整いました。
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●豊かな教師陣の揃う教室 |
18年のダンサー活動の後、生まれ育った吉祥寺の地で1988年からずっと子供達にバレエを教え続けています。
教室を始めたきっかけは、ご近所の畑中さん(現リラの会、会長さん)から掛けられた一言でした。
「吉祥寺でバレエを教えてくださらないかしら?」 既に、ステージで脚光を浴びることよりも息子達との時間を優先すべきだ、と感じ始めていた私の中で、地元で子供達にバレエの素晴らしさを伝えてゆきたいという漠然とした思いは生まれていたのかもしれません。バレエ団を退職し、第2のバレエ人生を始めました。
コミュニティセンター【九浦の家】でのレッスン初日、ご近所の方が私の卒園した巴幼稚園(現0123吉祥寺)の園児を中心に、7~8名の生徒さんを集めてくださいました。皆、紺のブルマーにTシャツというラフなスタイルで!
この時の生徒の中に、今も私の片腕となって教室を支えてくれている畑中やよいと上野ちふみがいるのですから、時の流れを感じます。あっという間にブルマーTシャツの子供達は数を増し、翌年の桜の頃には教室を西武スポーツ(現ロフト)に移すこととなりました。
教室名を小さなトーシューズという意味を持つPetit Pointe(プチ・ポアント)に決め、ブルマーTシャツの子供達はレオタードとタイツ姿のバレリーナに変身を遂げました。4年後の西武スポーツの閉館に伴い、教室探しが始まりました。運良く建築途中の永谷の物件に巡り会い、無理矢理お願いしてバレエスタジオにしていただきました。
その後、600名を超える生徒さんが門をくぐり現在に至っています。その中から吉野紀苑、小川ふみ、中島有貴という若手教師が育ってくれました。
教師陣は皆、国内外のバレエ団で研鑽を積み、現在はPetit Pointeで私を支えるどころか、豊かな教師陣の揃う教室の看板を背負ってくれています。
また、彼女らを介して安間俊介先生、梅澤紘貴先生とも知り合うことができ、力をお貸しいただけるようなになった事は本当に心強い限りです。
永年、会長を務めて下さっている畑中さんをはじめ、開設以来Petit Pointeに関わってくださった全ての方々のご助力に感謝の気持ちでいっぱいです。
ブルマーTシャツでもいい、バレエの素晴らしささえ伝えられるなら! これからもこの気持ちだけは忘れずにいたいと思っています。
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●恩師 太刀川瑠璃子先生と巴幼稚園 |
太刀川瑠璃子先生(2008年に他界)は、西荻窪生まれで成蹊小学校出身と、吉祥寺に縁の濃い方です。お祖父様が経営しておられた巴幼稚園で先生ご自身もバレエを習い初められました。そしてまた私が瑠璃子先生の下バレエを始めたのもこの場所です。バーならぬ教室の棚につかまって、1からバレエを教えていただいた、私にとっての聖地です。
最期までバレエの啓蒙と発展を通し、社会還元にまで思いを馳せ、走り続けられた先生のご遺志に敬服しています。
私などまだ先生の足下にも及びませんが、教室を続けることによりその一端でも担いでいければ、という思いがあります。
【バレエは手の届かない高尚なもの】とせず、ひとりでも多くの子供達にバレエを体験して欲しいという想いから、ブルマーTシャツの発想を取り入れたり、お月謝額をできるだけ安価に設定したりしています。
教室を卒業していった生徒たちもバレエファンとしてバレエ界の裾野を広げていってくれたら嬉しいです。
ダンサーや教師を育てるだけに留まらず、地元でバレエに携わり続ける事によって、瑠璃子先生に何らかの恩返しが出来たら、と思っています。
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